毛皮の色が変わってしまいました。なぜでしょう?
考えられる原因には、次のようなことが上げられます。
1. 日光や蛍光灯などの光線による自然劣化
毛のたんぱく質は、強い紫外線を受けると化学変化を起こし黄色の物質を生成 (一般に言う"黄ばみ") します。これが、ホワイトミンクやブルーフォックスなどの白系の毛皮が黄変する原因です。ダークミンクやシルバーフォックスが強い紫外線を受けると、赤褐色になるのに対して、パルテルミンクは白っぽく褪色します。これはメラニン色素の安定度が異なるために、このような差が出てきます。また、染色された毛皮の場合、色の3原色(赤、青、黄)の染料を組み合わせて染色することが多いため、日光や蛍光灯の含まれる紫外線によって染料の一要素(主に赤)のみが破壊され、茶色がグリーンに、グレーがピンクになるなどの変色を起こします。
2. 染料などの変化
染色に使用した染料は、わずかずつですが常に周囲からの科学的な影響を受けています。染色した毛皮は、色落ちを防ぐためにさまざまな方法がとられているので通常は色落ちなどの損傷はありません。しかし、染色条件、染料、染色後の洗浄などの条件が不適切な場合は、時として色が落ちる場合があります。また、毛皮製品は、何枚もの皮を組み合わせて製品化するため、それぞれの皮の個体差により不揃いの変・褪色が起きる場合もあります。
3. 汚れ(チリ・ホコリ・汗)等の付着
大気中の汚れや食べ物のなどの他、着用の際の汗腺や脂肪腺などからの分泌物(特に脂肪)による汚れは、変・褪色の原因になります。また、毛皮に直接香水やヘアスプレー等を振りかけると変色やシミのもとになります。なお、毛皮に直接触れる部位(あご、首、手等)につけた化粧品が原因と思われる変・褪色の例もあるので、注意が必要です。